第6回全国大会(2025年度)
大会テーマ「英語学習のつまずきと支援:医療と教育の連携」
※本ページは順次更新します(最終更新日2025年6月28日)。
※ 自由研究発表の応募を開始しました!ぜひご応募ください。詳しくはページ下部をご覧ください。
【日 時】 11月9日(日)9:20~17:15
【開催方法】 オンライン
【概 要】
このたびの全国大会では、「英語学習のつまずきと支援:医療と教育の連携」をテーマに、英語学習につまずく学習者を支援するために医療と英語教育が連携し、改めて互いの立場を理解し合うことを目指します。
基調講演では、竹田契一先生(大阪教育大学名誉教授、AUDELL学会名誉顧問)と平谷美智夫先生(発達障害専門医、平谷こども発達クリニック院長、福井大学教授)をお迎えし、英語学習のつまずきに関する理論的なアプローチや医療現場における英語学習支援の実践例をお話しいただきます。
また、多様な学習者を支援するための具体的なセッションや自由研究発表も予定しています。これにより、参加者の皆さまと、すべての学習者に対してインクルーシブな英語教育を実現するための知識とスキルを共有し、医療と教育の連携による英語学習支援の未来を共に考える場を提供します。
プログラムや申し込み方法など、大会の詳細は本ページやSNSにて順次お知らせします。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
【プログラム(予定)】
9:30~12:40 基調講演
13:30~16:00 自由研究発表(7月より募集を開始。本ページの下部に募集要領があります)
16:10~17:10 学びのサロン
【Important Dates】
7月~自由研究発表募集開始
9月~大会参加申し込み開始
【参加費】
- 会員:2000円
- 非会員:3000円
- 学部学生・大学院生:無料
- 協賛社:5000円
*非会員の方は、この機会に入会をご検討いただけますと幸いです(入会はこちらから)。
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【自由研究発表応募要領】 New!
★発表資格:代表者は、発表申込締め切り日までに2025年度の年会費を納入済みの方。
共同発表者は非会員も可能とします。
入会のお手続きはこちらからお願い致します。
★発表数:代表者としての発表は1件に限ります。
共同発表者として他の発表に関わることは妨げません。
★発表形式:一件につき30分。質疑応答を含みます。
本大会はオンライン開催となりますので、参加者に資料を共有してご発表いただきます。
当日の発表は録画し、参加者のみに後日限定配信させていただきます。ご了承をお願いいたします。
★発表申込方法
①発表概要原稿を受付期間中に提出する。
自由研究発表の申込受付期間:2025年 7月1日(火)0:00 ~ 8月12日(火)23:59
発表概要原稿のテンプレートは、以下のURLよりダウンロードしてお使いください。
・テンプレート: 第6回全国大会_自由研究発表概要テンプレート.docx
・サンプル: 第6回全国大会_自由研究発表概要テンプレート
・提出先:こちらから(※提出後、ご登録のメールアドレスに回答フォームのコピーが自動的に届きますので、ご確認ください。届かない場合は、メールアドレスをご確認の上、再送信してください。)
②採択/不採択の連絡
2025年9月上旬までに、全国大会実行委員会よりメールにてご連絡します。
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【基調講演】
①「学童期に見られるLD・Dyslexiaなどの読み書き障害が英語学習に与える影響について」
竹田契一(大阪医科薬科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授、AUDELL名誉顧問)
文部科学省定義によると、「LDは基本的に全般的な知的発達に障害はないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指す」。Dyslexiaは国際Dyslexia協会が定義しており、「その特徴は、正確かつ流暢な単語認識の困難さであり、つづりや文字記号化の拙劣さである」。このように、コミュニケーション全般に影響をきたすLDと、ことばの流暢さや正確さの問題をもつDyslexiaに分かれる。
2022年の文部科学省の全国調査によると、通常学級に所属する児童生徒全体の8.8%に発達課題があり、6.5%にLDなどの学習上の問題が認められた。また読み書き障害の背景には単なるケアレスミス、うっかりミスではなく中枢神経系の障害である音韻認識力の弱さを含む聴覚情報処理障害や視機能に関係する視覚情報処理障害が考えられる。特にLD・Dyslexiaは聴覚系のdecodingの障害が大きく、文字を音に変換する機能に障害が認められる。
現在小学校5年から英語教育は教科化されており、母語である日本語習得に問題を抱える児童生徒にとっての英語学習はストレスであり混乱を起こしている。講演では、国語学習においてLD・Dyslexiaがどのようなつまずきをするのかを示し、今後の英語教育へのヒントを提供したい。
②「発達性ディスレクシア(DD)の多彩な臨床症状と支援-DDと自閉スペクトラム症やADHDとの関係、我が国におけるDD生徒の学業成績、特に英語習得の悲惨な状況と当クリニックでの英語を含む学習支援-」
平谷美智夫(発達障害専門医、平谷こども発達クリニック院長)
ディスレクシア(DD)は、知的能力には問題はなく文字に触れる機会が保障されているのにも関わらず、文字をスラスラ読めない障害である。文字を書くことも苦手なため、わが国では読み書き障害と呼ばれることもある学習障害(LD)の一つのタイプである。従来我が国では、稀と考えられてきたが、決して稀な疾患ではない。当クリニック(CL)では、2001年の第1例以来、診断例は900例を超えている。
今回は、以下について報告する。①症例を通してDDを理解する、②DD・ADHD・ASDの関係、特に読み書きに焦点をおいた特性を理解する、③DDの80%はADHDあるいはASDを併存する。われわれが対象とするDDのほとんどが他の神経発達症を併存する、④我が国におけるDD生徒の英語習得の悲惨な状況、⑤当CLにおけるDD生徒のICTを活用した学習支援、DD生徒のタイピングスキル獲得の特異性、当クリニックのデイジー読解教室とデイジー英語教室の紹介など。
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【学びのサロン】New!
参加者が発信できる場、また当事者・指導者・保護者の交流の場として、全員参加型のサロンを設けました。お好きなお部屋にご参加ください!
① 母語(L1日本語)の学習障害を持つ児童生徒への英語の読み書き指導
「日本語の音がディスレクシアを助ける? ―日本語の音韻体系を使って、無理なく英単語の読み書きを学ぼう!―」
杉江直哉(平谷こども発達クリニック・名古屋大学修士課程・言語聴覚士)
概要: ディスレクシアを持つ児童・生徒は、英単語の読み方やつづりを覚えることに大きな困難を抱えています。そして同様に、学校現場の先生方も、彼らにどうやって英単語の読み書きを教えればよいか悩んでいる方が多いのではないでしょうか。こうした現状を受けて、ディスレクシアの児童・生徒が認知的ストレスなく取り組め、かつ先生方も手軽に指導できる教材を開発しました。今回は、その教材を用いた英単語の読み書き指導法の実例をご紹介します。キーワードはズバリ、「日本語の音」になります。気軽な意見交換を通じて、楽しく学び合える時間になればと思います。
② 聴覚障害児への英語指導
「教えて、現場のホンネ!聴覚障害児への英語指導のリアル」
田中豊大・長南浩人(筑波技術大学)
概要:聞こえない・聞こえにくいお子さんの学びの場は、小中学校の通常学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校・・・などさまざまです。それぞれの場で,それぞれの先生が「どうやって英語を教えればよいか」と、日々悩みながら英語の指導を担当されているのではないでしょうか。本サロンでは、そんな「聴覚障害×英語教育」の現場で奮闘される方々の“ホンネ”を気軽に共有できるお時間にしたいと思います。その上で、専門的な指導の工夫や効果的な実践例などを交えながら、明日の授業で使えそうなことから英語を学んだ先のお子さんの将来像まで、参加者の皆様と一緒に考えていきたいと思います。英語教育がご専門でない方も、ご興味があれば安心してご参加ください。現場のリアルな声をお待ちしています。
③ 日本語母語の構音指導
「日本語の発音が英語学習に与える影響―構音障害を持つ子どもたちの英語の学びを考える」
入山満恵子(新潟大学)・谷川美記子(新潟市立万代長嶺小学校)
概要:通常学級には、発音の問題、つまり「構音障害」があり、通級指導教室などで個別指導を受けている・受けていた子どもたちがいます。その多くは指導を受ければ改善しますが、一方でその背景に「もともと音の細かい弁別が苦手・音韻認識が弱い」などのことがあると矯正には時間がかかります。また、日本語の発音が改善しても、音の数が多く複雑な英語学習では苦戦を強いられるリスクが高まります。こちらのサロンでは、通級指導教室「ことばの教室」で指導にあたる教師からの事例紹介を交えながら、参加者の皆さまと構音障害を持つ子どもたちへの英語学習の支援策をご一緒に考えたいと思います。
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皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
【お問合わせ】
AUDELL研究企画委員会:kenkyu@audell.org